拠点形成概要 本拠点の目的
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世界のHIV-1感染者は約3300万人、エイズによる死亡者は毎年200万人を超えています。
エイズは今日最も人類を脅かす新興感染症であり、エイズ対策国連特別総会で、波及する社会問題も含め対策が議論された、まさに地球規模の人類最大の課題の一つであります。一方わが国では、毎年1,000名以上もの新たなエイズ発症者/HIV感染者が増加しており、先進国の中では唯一感染数が増加している国である状況です。
既にその数は13,000人を数え、実態はその数倍に上ると推計され、国の保健衛生上の大きな問題となっています。
さらに隣接する中国での実態は目を覆うべきものとなり、100万人を突破する勢いで増加しつつあります。アジア地域での人的交流が活発になっている現状を考えると今後日本でもエイズが急速な拡大をすることが懸念されています。

わが国ではHIV感染症の研究や治療予防法の開発で、国際的なエイズ対策に連携していく取り組みがなされていますが、決定的に不足しているのは、この国際的連携、研究開発、治療チームに参画するべき人材の養成です。日本ではエイズ学研究への研究費投入は欧米と比べて著しく少なく、研究者数は1990年代から殆ど増えていません。
このままでは、今後の日本国内での流行への対応のみならずエイズ治療の最新の技術、エイズに関する国際的に高い研究水準に維持することに重大な支障をきたすと予想されます。

このため日本において、グローバルな視点で研究を行う欧米諸国と並ぶレベルの教育研究拠点を設立し、国際的に活躍できるエイズの研究者、医療従事者の体系的・組織的な養成が必須であると強く思います。




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