|
|
|
|
HIV-1(エイズウイルス)感染者が世界で4000万人以上になり、毎年300万人以上が死亡している。国内においても、既にHIV-1感染者は1万人以上に達しており、感染の急速な増大が危惧されている。このような状況下で、基礎研究成果を基にエイズの治療薬や治療法の開発まで行うトランスレーショナル研究の専門家の育成が、エイズを制圧するために急務とされる。そこで最もエイズの研究教育実績がある熊本大学医学教育部に、「エイズ制圧を目指した研究者養成コース」を新設し、国内外から大学院学生を受け入れて組織的な大学院教育を実施し、トランスレーショナル研究を推進する能力を有した研究者・エイズ専門医の育成、さらにHIV-1などの高病原性微生物の取り扱う能力を備えた研究者の育成を行う。 @ 「エイズ制圧のためのトランスレーショナル研究者育成コース」と「エイズ先端研究者育成コース」の2のサブコースを設置する。 A エイズに関する幅広い分野とトランスレーショナル研究に関する講義、日本最大のP3施設を使用した様々な研究方法に関する実習を行い、エイズ研究を行うための基礎的知識と技術の習得を初期に行う。さらに医師である大学院学生が進むコースでは、日本最大のエイズ治療病院である国立国際医療センターもしくは熊本大学病院で、エイズ治療に関する臨床教育と臨床治験を研修できるプログラムを、医師でない学生が進むコースでは、病棟などでのエイズの臨床を体験するプログラムも取り入れ、体系的な教育システムを構築する。また研究で優秀な成績をあげている学生が、指導教員の海外共同研究者の研究室で研究を行うことができるプログラムを作成し、国際的視野を持った研究者の養成をする。 B 指導教員と2名の研究アドバイザーによるアドバイザーユニットをつくり、学生の研究を定期的に審査し、研究が順調に進むようにアドバイスするシステムを作る。またプログラム運営委員会を設置し、プログラムの運営を行う。 以上の組織的教育プログラムにより、幅広い知識と基礎・臨床研究の専門性を備えたエイズ研究者の育成が期待できる。また本プログラムが、トランスレーショナル研究が重要な他の分野での研究者の育成の大学院教育の改善にも貢献できる。 |
|