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熊本大学 は、多くの感染症研究分野の逸材を世の中に送り出してきた。高月教授、日沼教授らによるATL(成人T細胞白血病)の発見とその原因ウイルスであるヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)の同定の研究は、この病気の撲滅に向け大きな貢献をしたことは世界的に知られている。またエイズの研究では、世界で最初の3種の抗HIV剤の開発が満屋教授によりされ、1998年には国内の大学では唯一のエイズを研究する学内共同利用施設であるエイズ学研究センターを設立し、エイズ研究と大学院教育に力を入れてきた。その結果、現在では熊本大学医学教育部は国内で最大のエイズ研究者が在籍する大学院組織となった。 これらの活動を通して国際的なレベルで活躍できる研究者の育成に力を注ぎ、特にエイズの研究分野においては質の高い研究者を育成し、現在日本国内で最も活躍しているエイズ研究者(国立感染症研究所エイズセンター長、京都大学ウイルス研究所エイズ研究施設教授(2名)、熊本大学医学薬学研究部及びエイズ学研究センター教授(3名))を輩出し、日本のエイズ研究者育成の中心的役割を果たしてきた。これは、博士号取得条件としてピアレビューがある国際誌に論文が採択されていることを課し、公開による厳しい審査を行ってきた成果といえる。平成14年より医学修士課程を開設し、医学部以外の学部の卒業生を対象とした研究者育成教育を開始し、さらに平成15年度からは新たな大学院組織である医学教育部を設立、4専攻制による博士課程教育を開始し、大学院教育の改善に取り組んできた。 |