Keystone Symposia Conference (Immunologic Memory)
March 3 - 8, 2007, Eldorado Hotel & Spa, Santa Fe, New Mexico


ポスター発表

One human effector CD8+ T cell subset retained memory T cell feature; IL-2 productivity and proliferative capacity.
Hiroshi Takata and Masafumi Takiguchi
   

発表の内容

 HIV感染患者においては、機能的なHIV特異的エフェクターCD8+ T細胞が欠如していることが複数のグループによって報告されており、これが患者体内からHIVが完全に排除されない原因の一つであると考えられている。そこで我々は、まず正常なエフェクターCD8+ T細胞の機能を詳細に解析するため、健常人におけるエフェクターCD8+ T細胞を用いて研究を行った。

 健常人の末梢血由来のCD8+ T細胞において、細胞表面マーカーの発現解析とサイトカイン産生能、細胞傷害性エフェクター分子の発現と実際の細胞傷害活性を多角的に解析した。すると、エフェクター分子Perforinを共に発現し、さらに同様の強力な細胞傷害活性をもつ二つのヒトエフェクターCD8+ T細胞集団を同定した。双方の細胞集団は、抗原刺激に対してそのほとんどがIFN-g・TNF-aを産生したが、興味深いことにIL-2の産生は片方の細胞集団でのみ見られた。さらに、抗CD3抗体刺激および抗原刺激に反応して、IL-2産生能を持つ細胞集団は外因性IL-2に関係なく自己増殖能を示したが、それを持たない細胞集団は外因性IL-2が存在しないと増殖能を示さなかった。

 これらのことから、単一だと思われていたエフェクターCD8+ T細胞の中に、IL-2産生能を持ち自己増殖できるものと、外因性IL-2がないと増殖できない細胞集団が存在することが示唆された。

発表の成果

 本研究では、IL-2産生能と自己増殖能との関連を論じているため、それぞれの細胞集団におけるIL-2受容体の発現解析も必須であると痛感した。また、この機能的差異を引き起こす機序を解析するため


 
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