1999-2000

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Tomiyama, H., Oka, S., Ogg, GS., Ida, S., McMichael, AJ., Takiguchi, M. (2000) Expansion of HIV-1-speciic CD28-CD45RA-CD8+ T cells in chronically HIV-1 infected individuals. AIDS. 14:2049-2051. 

細胞傷害性T細胞(CTL)は感染者体内でHIV-1感染細胞の除去に重要な役割をはたしている。しかし、感染者の末梢血リンパ球でHIV-1に対する強いCTL活性が認められるにもかかわらず、HIV-1は感染者の体内から完全に排除されない。HIV-1特異的CD8(+)T細胞を解析することはHIV-1が免疫系によって排除されない原因を究明するために重要である。最近抗原特異的CD8(+)T細胞をフローサイトメトリーで高感度に検出できるHLA-class/ペプチドテトラマー(テトラマー)が開発された。我々は、HLA-B35分子によって提示される6種類のHIV-1エピトープペプチドを用いてテトラマーを作製し、HIV-1感染者の末梢血リンパ球中のテトラマー陽性細胞を解析した。その結果、HIV-1慢性感染者のHIV-1特異的CD8(+)T細胞ではCD28(-)CD45RA(-)分画のCD8(+)T細胞が増加していることが明らかであった。HIV-1感染者から単離された細胞傷害性T細胞クローンも同様にCD28(-)CD45RA(-)であったことから、この表原型を持つテトラマー陽性CD8(+)T細胞は、細胞傷害性をもち、HIV-1感染者の体内でHIV-1の排除に重要な役割を果たしている事がヲ唆された。

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