2nd MASIR conference (Measurement of Antigen-Specific Immune Responses)
June 14-18, 2006, Santorini, Greek

学会内容  
私が特に興味を持った2つの研究について紹介します。
 
Session 1: Novel Approaches
Design and use of conditional class I MHC ligands

Ton N M Schumacher, Division of Immunology , The Netherlands Cancer Institute,
Plesmanlaan 121, 1066CX, Amsterdam, The Netherlands
.可溶性ペプチド-MHC複合体(pMHC)やそれらを4量化したテトラマーは、抗原特異的T細胞の同定に必要不可欠である。そのpMHCの作製は、これまで、各ペプチドごとにpMHCを作製しなければならず、多くの種類のpMHCを作製することは困難であった。本研究では、すでに作製したpMHCにUVを照射することにより、MHC分子に結合したペプチドを遊離し、空となったMHC分子に新しいペプチドを加えるという、MHC分子上でのペプチド交換反応によって、別のpMHCを調製することに成功した。本研究により、多くの種類のpMHCの作製をより簡便に行うことが可能になった。



Poster session
Efficiency of T cell receptor expression in dual specific T cells is controlled by the
intrinsic affinity of the TCR chains within the TCR-CD3 complex

M.H.M. Heemskerk, R.S. Hagedoorn, M.A.W.G. van der Hoorn, L.T. van der Veken, M.Hoogeboom,
M.G.D.Kester, R. Willemze, J.FH.F, Falkenburg
Department of Hematology, Leiden University Medical Center, The Netherlands.

   
抗原特異的T cellを用いたAdaptive immunotherapy(養子免疫治療)は、骨髄性白血病、メラノーマやEBV、CMVなどの制御に効果的であると報告されている。 Adaptive immunotherapyの1つのアプローチとして、抗原特異性が明らかなTCRをT細胞に遺伝子導入する方法 (TCR transfer)がある。以前、筆者らは、CMV特異的T cellに、leukemia由来のminor histocomatibility antigenであるHA-2に特異的なTCR(HA-2 TCR)を導入し、 anti-leukemic reactivityを持ったT cellの作成に成功した。このとき同時に、筆者らは、ある一部のHA-2 TCR transduced T cellにおいては、endogenous TCRsよりもHA-2 TCRを優位に細胞表面に発現することを見出した。本研究では、これらの結果を基に、TCRの組み合わせを変えて、TCRの細胞上での発現量や、TCRを導入した細胞を用いた細胞傷害活性について解析し、導入したTCRの発現は、単にランダムにではなく、導入したTCRと内在的に発現するTCRの両方の特性(pairingやCD3分子との結合など)によって、制御されていることを示した。
   
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