4th IAS Conference on HIV Pathogenesis, Treatment and Prevention
22-25 July 2007 Sydney, Australia


熊本大学大学院医学教育部病態制御学専攻ウイルス制御学 八木田悠一
今回、私はオーストラリアのシドニーにて開催された国際学会(4th IAS Conference on HIV pathogenesis, Treatment and Prevention)に参加してきました。私にとって、今回の発表がウイルス制御分野に来て最初の学会発表でしたし、久々の海外渡航だったということもあって、多くの不安を抱えたまま出国したことを覚えています。

学会が開催されたシドニーは、オーストラリア大陸の南東部に位置するニューサウスウェールズ州の州都であり、オーストラリア最大かつ最古の都市です。オーストラリア経済の中心地であるとともに、国際的な観光都市でもあり、特にハーバーブリッジやオペラハウスなどが有名です。私もシドニー滞在中に少し観光を楽しんできましたが、なかでもハーバーブリッジの存在感には圧倒されました。

オーストラリアは好景気らしく物価が上昇気味で、さらに急激に(出発前の3ヶ月でなんと約15円も・・・)円安が進んだこともあって、滞在中は何を買うにも割高感が否めませんでした。そのため、食事のたびに同行した本田さんとより安いものを求めて歩き回っていました。これは苦しかったです。

学会について
今回参加した学会は、International AIDS Societyによって2年に1度開催されている学会で、HIV感染症に対する基礎研究、臨床研究および予防科学にその焦点があてられています。規模は非常に大きく、主催者発表によると、今回は133カ国から5000人を超える参加者が足を運んでいたようです。本学会では3つのトラックが設けられており、各トラックで活発な議論が繰り広げられていたようです。ちなみに、トラックごとの演題投稿数は以下の通りです。

Track A: HIV Basic Science 561
Track B: Clinical Research, Treatment and Care 1,972
Track C: Biomedical Prevention 706

上の数字からもわかるように臨床研究に関する演題がメインで、私たちの主な研究対象である細胞性免疫に関する演題はTrack Aの一部でみられるだけでした。しかし、当初のプログラムには組み込まれていなかったBruce D Walkerによる最新データの報告やそれに対する熱のこもった議論を目の当たりにして、私たちが行っている研究の重要性を再認識させられました。シドニーでホットな研究・議論に出会うことができ、とても有意義なものとなりました。
写真は、学会会場とその周辺の写真です。

 
 
 
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