W-1.B型肝炎ウイルスを認識するCTLの研究

HBVに対するCTLの研究は、欧米人で最も頻度が高いHLA-A*0201抗原で提示されるHBVエピトープが既に判っているため、このエピトープを用いた解析が、欧米のグループによってされている。日本人ではA*0201は10%程度が見られず、一方HLA-A24(A*2402)が最も高頻度(約70%)に見られるので、このHLA-A*2402によって呈示されるHBVエピトープを明らかにし、これを用いて日本人HBV肝炎患者でのHBVに対するCTLの研究をする事が望ましいと考えられた。そこでまずHLA-A*2402によって提示されるHBVエピトープの同定をリバース・イムノジェネティックス法を用いて行った所、2つのエピトープを同定する事ができた(J.Hepatology. 34:922-929, 2001.)。これらのエピトープを用いてテトラマーを作製し、これを用いて急性及び慢性HBV肝炎患者の末梢血中のHBVとくいてきCD8T細胞を直接測定する方法を確立した。

急性肝炎患者の急性期に見られたHBV特異的CD8T細胞の分化度を解析したところ、memory phaseのCD8T細胞が増えている事が明らかになった。また、慢性肝炎患者の末梢血中のHBV特異的CD8T細胞の数は、急性肝炎の患者と比べて少なく、さらにウイルス量の多い患者では少ない事が明らかになった。このことから、慢性肝炎患者ではCTLがウイルスの増殖を制御している可能性が示唆された(J.Hepatology. 36:105-115, 2002.)。

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